化学工業の市場規模・事業所数データ

化学工業の売上(収入)金額は39.2兆円(全90業種中11位)、事業所数は9,010、従業者数は446,816人です(総務省・経済産業省「経済センサス活動調査」2021年)。労働生産性(従業者1人あたり付加価値額)は11.7百万円、付加価値率は23.7%です。

化学工業に対応する東証33業種区分「化学」の上場199社では、経常利益率の中央値は8.0%、平均年収の中央値は716万円です(金融庁 EDINET 有価証券報告書・2026年時点)。

化学工業の規模(2021年)

売上(収入)金額

39.2兆円

全99業種中 11位

付加価値額

5.2兆円

事業所数

9,010

事業所

従業者数

446,816

5年間の推移(2016年 → 2021年)

指標2016年2021年増減
売上(収入)金額37.1兆円39.2兆円年率 +1.1%
付加価値額5.2兆円5.2兆円年率 +0.1%
事業所数8,2929,010+8.7%
従業者数422,983446,816+5.6%

売上高・付加価値額の「年率」は5年間の年平均成長率(CAGR)、事業所数・従業者数は期間全体の増減率です。

化学工業の構造をデータで読む

業界構造の分析でよく問われる論点のうち、公的統計で裏付けられるものを実数で示します。 「全90業種中」は同じ指標で全業種を並べたときの順位です。

構造上の論点指標この業種の値全業種での位置
参入に必要な事業規模1事業所あたり売上高4,351百万円11位 / 90
事業者は増えているか(参入・退出)事業所数の5年増減(2016→2021)+8.7%
売上のうち自業種で生む価値の割合付加価値率(粗付加価値額÷売上高)23.7%51位 / 90
人が価値を生むか、設備が生むか労働生産性(従業者1人あたり付加価値額)11.7百万円/人15位 / 90
事業所の規模1事業所あたり従業者数49.6人

この表が答えていないこと: 供給者・買い手の交渉力、代替品の脅威、規制の方向性、 技術変化の速度は公的統計では測れません。本サイトは推測でこれらを埋めず、 数値で確認できる範囲に限って掲載しています。

製造業のどこに価値が溜まるか

同じ大分類の業種を付加価値率(売上のうち自業種で生んだ価値の割合)で並べました。 値が低い業種は仕入・外注として他業種へ多くを渡し、高い業種は自前で価値を生んでいます。

業種付加価値率売上(収入)金額
その他の製造業28.2%6.8兆円
金属製品製造業25.9%18.1兆円
生産用機械器具製造業25.6%22.3兆円
なめし革・同製品・毛皮製造業25.4%4,088億円
ゴム製品製造業25.1%4.6兆円
家具・装備品製造業25.0%3.1兆円
プラスチック製品製造業(別掲を除く)24.9%14.4兆円
はん用機械器具製造業24.7%13.2兆円
印刷・同関連業24.5%7.8兆円
電子部品・デバイス・電子回路製造業24.2%18.6兆円
化学工業(このページ)23.7%39.2兆円
業務用機械器具製造業23.4%11.4兆円
繊維工業23.4%7.0兆円
窯業・土石製品製造業23.4%9.8兆円
電気機械器具製造業23.0%21.2兆円
パルプ・紙・紙加工品製造業20.3%8.4兆円
木材・木製品製造業(家具を除く)19.6%3.3兆円
食料品製造業17.2%36.7兆円
情報通信機械器具製造業17.1%18.1兆円
飲料・たばこ・飼料製造業16.1%10.4兆円
鉄鋼業14.9%15.4兆円
非鉄金属製造業14.4%12.4兆円
輸送用機械器具製造業14.2%69.6兆円
石油製品・石炭製品製造業5.1%15.1兆円

付加価値率が低いことは非効率を意味しません。商流を通過する取引額が売上に計上される 卸売業などは構造的に低くなります。労働生産性の単位は百万円/人です。

化学工業のKPIベンチマーク(上場企業)

有価証券報告書を提出している上場企業のうち、東証33業種区分「化学」に 属する199社の実額を集計しました。 中央値で示すため、少数の巨大企業に引っ張られません。

経常利益率の中央値

8.0%

経常利益 ÷ 売上高

平均年収の中央値

716

万円。有報記載の平均年間給与

売上高の中央値

536億円

1社あたり

平均年齢の中央値

42.1

売上高上位10

企業名売上高経常利益平均年収決算期書類管理番号
三菱ケミカルグループ株式会社3.7兆円484億円1,189万円2026-03-31S100YFSR
富士フイルムホールディングス株式会社3.4兆円189億円1,086万円2026-03-31S100YIBH
旭化成株式会社3.1兆円2,304億円848万円2026-03-31S100YGRD
信越化学工業株式会社2.6兆円7,083億円899万円2026-03-31S100YE9I
日本酸素ホールディングス株式会社1.4兆円459億円1,064万円2026-03-31S100YB9P
株式会社レゾナック・ホールディングス1.3兆円33億円1,132万円2025-12-31S100XTT8
積水化学工業株式会社1.3兆円1,172億円946万円2026-03-31S100YBAY
DIC株式会社1.1兆円443億円799万円2025-12-31S100XS2N
東ソー株式会社1.0兆円1,068億円829万円2026-03-31S100YE5Q
花王株式会社9,348億円1,320億円865万円2025-12-31S100XT6G

この2指標の業界間の位置づけは 平均年収が高い業界ランキング 経常利益率が高い業界ランキング(いずれも東証33区分)で確認できます。

この集計の限界

  • ・対象は有価証券報告書を提出する上場企業のみです。この業種の事業所は9,010、従業者は446,816人(経済センサス)で、 その大半は非上場の中小企業です。上場199社の数値を業界全体の平均と読まないでください
  • ・東証33業種区分とJSIC中分類は目的の異なる分類であり、 「化学工業」と「化学」の対応は近似です
  • ・上場企業は主たる事業で1区分に割り当てられるため、複合企業の売上は1業種に計上されます
  • ・出典: EDINET 有価証券報告書 (金融庁) + JPX 上場銘柄一覧(33業種)/全3,676社を取得(取得日 2026-08-17。各社の数値は上表の書類管理番号でEDINETから原文を確認できます

化学工業の実態(全法人ベース・2025年度)

上の集計は上場企業だけが母集団です。ここでは資本金1千万円以上の全法人を母集団とする法人企業統計調査(財務省)の数値を並べます。経済センサスが2021年調査なのに対し、こちらは四半期更新で2025年度(2025年4-6月期〜2026年1-3月期)の実績です。

1人あたり年間給与

525

万円。全法人ベース(化学工業)

経常利益率

13.2%

経常利益 ÷ 売上高

労働分配の目安

11.4%

人件費計 ÷ 売上高

前年度比の給与

-1.5%

1人あたり年間給与

上場企業の平均年収と、全法人の実態の差

上場企業の中央値は716万円、 全法人ベースは525万円で、上場企業のほうが1.36高くなっています。化学工業の平均年収」として紹介される数字の多くは前者です。 就職・転職や取引条件の検討では、どちらの母集団の数字かを確かめてください。

1人あたり年間給与の推移(化学工業・全法人ベース)

年度1人あたり年間給与従業員数
2016年度505万円598,671
2017年度477万円642,251
2018年度498万円605,324
2019年度484万円616,891
2020年度491万円579,262
2021年度489万円601,907
2022年度493万円605,790
2023年度517万円605,605
2024年度534万円612,188
2025年度525万円645,129

この集計の限界

  • 標本調査のため業種別の値には標本誤差がある
  • 1人あたり年間給与は四半期の従業員給与を4期合計し期末従業員数で除した概算。期中の人員変動は反映していない
  • 従業員給与に役員給与は含まない(人件費計には含む)
  • 金融業・保険業(JSIC 62〜67)は調査項目の体系が異なる別表のため未収録
  • ・出典: 法人企業統計調査(財務省)財務省)/2025年度(2025年4-6月期〜2026年1-3月期)・取得日 2026-08-18

製造業の他の業種

食料品製造業36.7兆円
飲料・たばこ・飼料製造業10.4兆円
繊維工業7.0兆円
木材・木製品製造業(家具を除く)3.3兆円
家具・装備品製造業3.1兆円
パルプ・紙・紙加工品製造業8.4兆円
印刷・同関連業7.8兆円
石油製品・石炭製品製造業15.1兆円
プラスチック製品製造業(別掲を除く)14.4兆円
ゴム製品製造業4.6兆円
なめし革・同製品・毛皮製造業4,088億円
窯業・土石製品製造業9.8兆円
鉄鋼業15.4兆円
非鉄金属製造業12.4兆円
金属製品製造業18.1兆円
はん用機械器具製造業13.2兆円
生産用機械器具製造業22.3兆円
業務用機械器具製造業11.4兆円
電子部品・デバイス・電子回路製造業18.6兆円
電気機械器具製造業21.2兆円
情報通信機械器具製造業18.1兆円
輸送用機械器具製造業69.6兆円
その他の製造業6.8兆円

このページのデータについて

出典:
経済センサス活動調査 2016・2021 (e-Stat)総務省・経済産業省
売上高の集計基準:
売上(収入)金額(企業単位)企業に関する集計
産業分類:
JSIC 2013 (10th revision) 中分類16
政府統計コード:
2016年 0003218740 / 0003218741 / 0003219034、2021年 0004006320 / 0004006321 / 0004006330
データ取得日:
2026-08-17

金額は百万円単位の原数値を兆円・億円に換算して表示しています。統計の秘匿処理により一部の値が空欄になる場合があります。企業全体を主たる産業で分類するため、複合企業の売上は1業種に計上される。建設業・運輸業・金融業・保険業・通信業などは事業所単位では売上が調査されないため、全業種で企業単位に統一している。事業所数・従業者数・付加価値額は事業所に関する集計によります。

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